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目指せ!小顔

小顔が良いのは女性だけではない。男性経営者も小顔が良い。

しかも深みがある引き締まった小顔が良い。そうした顔はどこで作るか、それはエステではなくジムでもなく道場でもない。
部下によって作られるのだ。

ある地方で非凡会を行った。あいにくの雨で幹線通りが大渋滞しているとのこと。
予定人数の半分しか集まっていなかったが、定刻通りに私はスピーチを始めた。

30分後、三々五々と人が集まりだした。その中にI社長(31才男性)が混じっていた。
私は講演しながらも、「あ、Iさんだ。」と気づいたのだが、何か雰囲気が違う。
一年前の彼とは別人とまでは言わないが、渋みと重みが出て社長らしくなられたようだ。

懇親会の席で真ん前に座ったIさんに向かい、「顔が変わりましたね。社長らしい風格が漂っています」と申し上げたところ、

「そう言っていただいてうれしいです。実はこの数ヶ月間でものすごい修羅場を経験し、会社が劇的に変わったのです」とのこと。

詳しい経緯を聞いてみると、

半年前までは、社長として迷いながら会社を運営し、いろいろなことを試みてきたがうまくいかず、当時のメンバー数名が全員辞めてしまった。
社長の自分が考えていることが充分理解されなかったわけで、反省すべきは自分だが、誰もいなくなった会社をこれからどうすべきなのかいろいろと悩んだ。もう会社はやってゆけないのか、自分は技術者ではあっても社長には向いていないのか、と悶々とし、友人に相談する日々が続いた・・・。

ここまで話して彼が間をいれた。

私もビールを口に運びながら、彼の話しはここで終わりなのかと思った。もしそうなら、彼の顔の変化は苦悩によるものかと思ったとき、続きが始まった。

「相談に乗ってくれたある方が、自分よりは10才くらい年上の男性ですが、とても親身になって心配してくれ、今後のことをいろいろと聞いてくれました。そして、何度か話し合う内に、うちの会社でやってくれると言い出したのです。私はビックリして耳を疑いました。なぜなら、彼は地元でも有名な会社で働き、とても評価されている人物だと知っていたからです。うちに来れば彼は給料が下がりますし、40代の転職は失敗が許されないことは彼も私も知っています。当然、私の方もちゅうちょしましたが、何度かの会合を重ねた結果、彼と力をあわせて再出発する決心をしました」

クリームの上質な部分は持ち上げられて上へあがるが、良いスタッフに恵まれた経営者も上に持ち上げられる。

転職してくれた彼は、意見具申があれば直接社長に言う。だが、他のスタッフの前では社長としてのIさんを最大限に立ててくれる。
こうして強力な理解者を得た安堵感と、もう迷わないぞ、という自信がI社長の顔を変えた。いや、表情を鍛えたというべきか。

I社長の真価が問われるのはまだまだこれからだが、よき理解者と支援者を得た今、以前に増してスケールアップした。

修羅場をくぐり、はらを固めた社長は小顔になる。
修羅場をくぐり切っていない社長は、身内(社員や家族、自分)によって緩んだ大顔になる。

しかも定期的に鍛えてやらないと、すぐに緩むのが顔というものの性癖だ。